ホテル経営におけるリスクとは?失敗の原因や成功のためのポイントを解説!

アフターコロナによって、宿泊需要が高くなる昨今において、ホテル経営に身を乗り出そうと考えている経営者は少なくないでしょう。

しかし、ホテルを経営するにあたって、どのようなリスクがあるのか理解しておかなければ、売上が安定せずに廃業してしまう可能性も高いです。

そこで今回は、ホテル経営におけるリスクと、成功するためのポイントについて解説します。

アフターコロナによって、宿泊需要が高くなる昨今において、ホテル経営に身を乗り出そうと考えている経営者は少なくないでしょう。

しかし、ホテルを経営するにあたって、どのようなリスクがあるのか理解しておかなければ、売上が安定せずに廃業してしまう可能性も高いです。

そこで今回は、ホテル経営におけるリスクと、成功するためのポイントについて解説します。

知っておきたいホテル経営の現状について

現在のホテル経営の現状は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴って非常に厳しいものとなっています。

特に東京・大阪・京都といった出張や国内旅行者の利用も多い都市部では、新型コロナウイルスによる行動制限によって、ホテル業界全体で収益の大幅な減少が見られました。

帝国データバンクが調査した、2020年度の宿泊業の倒産件数は72件にものぼり、営業休止や赤字決算を考えるとさらに多いものと考えられるでしょう。

ただし、新型コロナウイルス感染症が終息に近づくにつれ、インバウンドやIR、国内旅行者などの宿泊需要も高まるはずです。

逆に考えると、新型コロナウイルス感染症が終息しないとホテル経営で利益を出すことは難しく、現状では難しいものと考えた方がいいでしょう。

ホテル経営で考えられるリスク

ホテル経営で考えられるリスクは主に以下の2つです。

・膨大な維持費がかかる

・インバウンド需要や景気に左右されやすい

では、それぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。

膨大な維持費がかかる

ホテルを経営する場合、土地や建物の建設費や設備・機器導入費などの初期費用の他に、以下の維持費がかかります。

・人件費

・家賃

・食材費

・光熱費

・広告費

・消耗品費

・修繕費

初期費用は数千万円〜数億円かかりますが、維持費も同様に膨大なコストがかかるでしょう。

そのため、初期費用に予算をかけすぎてしまったり、集客がうまくできなかったりする場合、赤字経営に陥ってしまうケースも珍しくありません。

インバウンド需要や景気に左右されやすい

ホテルを含む宿泊業は、インバウンド需要や景気に左右されやすい点も理解しておかなくてはいけません。

今回における新型コロナウイルス感染症拡大に伴った全国で景気が悪化してしまった場合がいいケースでしょう。

感染拡大防止として訪日外国人観光客の受け入れを制限してしまえば、インバウンド需要が伸び悩むため、ホテル利用客も減少します。

逆に、景気がよい傾向にある場合やインバウンド需要が高まっていると、ホテル利用客の母数は自然と増え、収益につながりやすくなります。

ホテル業では、インバウンド需要や景気に左右されやすいリスクを理解しておきながら、安定した集客ができる戦略を考えなくてはいけません。

ホテル経営が失敗してしまう原因

多くのホテル経営を見ていると、失敗する共通点があることがわかります。

今回は、ホテル経営が失敗してしまう2つの原因について見ていきましょう。

極端な値下げをしてしまう

ホテル経営で失敗してしまう原因の1つが、利益度外視の極端な値下げをしてしまう点です。

コロナ禍による宿泊客減少で集客ができない、という理由で他社よりも料金を安くするホテル・旅館も少なくありません。

ただし、極端な値下げは稼働率は維持できても利益が少なく、持続した経営を考えると効率が悪いです。

利用客にとっては安い価格帯が当たり前になってしまうため、宿泊料金を通常価格に戻してしまうと、需要は減少してしまうでしょう。

また、エリア全体でも価格競争が始まるので、結果として利益が少ない状態の中で集客を強いられるようになります。

ターゲットが明確になっていない

自社ホテル・旅館を利用するターゲットを明確にしていないのも、経営が失敗する原因です。

特にターゲットの範囲を広く設定してしまい、無難で響きにくいプランやサービスを展開しているホテル・旅館もよく見かけます。

ターゲットを絞れば絞るほど、どのようなプラン・サービスなら利用してもらえるか、集客戦略も明確になります。

そのため、ターゲットを決める際は、

・名前

・年齢

・性別

・年収

・趣味嗜好

・ホテル利用のきっかけ

・ホテルに求めること

といった部分をリストアップし、ある一人の人物像が浮かび上がるまで明確にしていくのがいいでしょう。

ホテル経営を成功させるためのポイント

では、ホテル経営を成功させるには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。

ここでは2つのポイントをご紹介するので、経営をする上での参考にしてみてください。

集客施策を徹底的に考える

ホテル経営が成功するかどうかは、集客ができるかにかかっているため、施策を徹底的に考える必要があります。

例えば、ホテル開業に向けて、ホームページを作成しておくなどです。

ホームページでは、認知拡大に向けてターゲットに合わせたデザイン・コンテンツを制作します。

ホームページから宿泊予約ができると、広告費やOTAの手数料を削減できるので、支出を減らすポイントにもなるでしょう。

また、SNS運用を始めるのも集客施策として効果的です。

SNSではリアルタイムの情報発信ができ、なおかつ拡散性に優れているため、認知度の向上という点に関しては相性がいいでしょう。

他にも利用客に口コミを投稿してもらうように呼びかける、リピーターに飽きさせないようなプランの企画・立案などがあります。

ただし、闇雲に集客施策を考えて実行しても、効率が悪いのでおすすめできません。

まずはターゲットを明確にして、自社の強みの理解、競合分析を行ったのちに、効果的な集客施策を実行していきましょう。集客施策についてはこちらの記事も参考にしてください。

人件費を見直す

ホテルを経営において人件費が占める割合は多く、コストカットをするのが難しい部類なのも事実です。

極端に人件費を削ってしまうとサービス品質を落とすことになり、利用客から不満を抱かれてしまう可能性があります。

また、一人ひとりの業務負担が大きくなるので、従業員にも悪影響を与えてしまうでしょう。

しかし、レベニューマネジメントツールや予約を一元管理できるシステムなど、業務効率化ツールを導入すると、効率よく人件費削減に貢献できます。

単純な人件費削減ではなく、ホテルとしての品質や従業員への負担も検討し、最適な人員配置を目指していきましょう。

適切な価格設定を行う

ホテル経営において、利用者が納得してもらえる適切な価格設定の提供が、成功の鍵を握るでしょう。しかし、適切な価格設定を行う上で、レベニューマネージャー を雇用する場合、人件費が高くなってしまいます。

そこでおすすめなのがレベニューマネジメントツールの導入です。

レベニューマネジメントツールは、過去のデータや競合の価格などを分析し、適正価格を予測してくれます。長期的な視野で見ると、レベニューマネージャーの人件費と比べると、コストを抑えることができるでしょう。

また、価格設定における属人化を防ぐこともできるため、人材不足が懸念されているホテル業においては貴重なツールといえます。レベニューマネジメントについてはこちらの記事を参考にしてください。

まとめ

今回はホテル経営におけるリスクについて、失敗の原因や成功のポイントと合わせてご紹介しました。

現状ではまだ新型コロナウイルス感染症の終息とはいえず、ホテル業界全体の業績は厳しい状態が続くでしょう。

また、インバウンド需要や景気に左右されやすい点も理解しつつ、リスクを最小限におさえられる状態で開業するのが適切です。

これからホテル経営を考えている方は、ぜひリスクを理解した上で集客を継続し、存続を目指していきましょう。

■記事作成:メトロエンジン株式会社

2016年創業。ダイナミックプライシングを活用したSaaSシステムのパイオニアとして躍進。ビックデータから人工知能・機械学習を活用し、客室単価の設定を行うダイナミックプライシングツールをホテルなど宿泊事業者に提供。また、レンタカー業界や高速バス業界など幅広い業界のDX支援事業も展開している。

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