ホテル業界の課題とは?現状と課題の解決方法を徹底解説!

コロナ禍で大きな打撃を受けたホテル業界ですが、それ以前から、ホテル業界ではさまざまな問題が指摘されてきました。

直近のホテル業界の動向に加え、日本のホテル業界が抱える課題について、その現状と解決方法をお伝えします。

ホテル業界の現状の課題

労働集約型産業であり、感染症の流行など外的要因の影響も受けやすいホテル業界にはさまざまな課題があります。まずは、ホテル業界が抱える課題をおさえておきましょう。

人手不足

最近のホテル業界で特に顕著になっているのが「人手不足」です。以前からホテルを含むサービス業では人手不足が叫ばれていましたが、コロナ禍での離職により、ホテル業界の人手不足はさらに深刻化しています。

多くのホテルがコロナ禍でスタッフを減らして人件費を削減するという対応を取った結果、「徐々に観光業が復活して宿泊者数が回復してきたのに、対応するスタッフが足りない」という事態に陥っているホテルが少なくないのです。

グローバル化が遅れていること

コロナ禍前、「観光立国」を目指す日本は、特に2012年以降、急激に外国人旅行者の受け入れ数を増やしていました。

その一方で、日本のホテル業界はグローバル化が遅れており、外国語対応が不十分であったり、食事の時間やメニューの自由度が少なかったりと、多様な外国人旅行者のニーズに応えきれていない宿泊施設が少なくありません。

低い収益性

一般に、日本のホテルは売上高に対する人件費比率が高く、収益性が低いことが課題となっています。そこで最近では、サービスレベルを落とすことなく人件費比率を下げるため、AIを含むデジタルの活用が大きなテーマとなっています。

景気に左右されやすいこと

ホテルは大勢の人が動くと儲かる業界ですが、それは外部要因の影響を受けやすいことを意味しています。

不景気や災害、感染症の流行など、自社ではコントロールできない要因によって、客数や収益などが下がってしまうというリスクがあるのです。ホテルに泊まることは、一部のビジネス出張などを除き「不要不急」と考えられることが多いため、景気や社会情勢の影響を受けやすい業界といえるでしょう。

施設の老朽化

団体旅行需要が活性化した1980~1990年代にかけて、日本全国で大型ホテルの建設が相次ぎました。それから30~40年を経た今、ホテルの施設の老朽化が問題になっています。

長年にわたってホテルの魅力を維持するためには、改装などの投資が欠かせませんが、そのために十分な資金力を持つホテルばかりではなく、老朽化が進んだホテルの先行きは不透明な状況です。

ホテル経営の課題を解決するための方法

上記のような課題の解決は、決して一筋縄ではいきません。ホテル経営におけるさまざまな課題を解決するには、多方面からのアプローチが必要になってくるでしょう。

労働環境の改善

まず、急務となっている人手不足を解消するためには、労働環境の改善が欠かせません。

コロナ禍で人手不足がさらに深刻化しましたが、前述の通り、ホテル業界の人手不足はコロナ前から指摘されていました。その根本原因として、長時間労働やサービス残業といった労働環境の問題があります。

人手不足の解消には、残業時間の削減や適正な残業代の支払いに加えて、ライフステージの変化に応じて柔軟な働き方が選べる制度の導入なども必要となるでしょう。

詳しくは後述しますが、デジタルの活用で機械化・自動化を進め、業務効率化を図ることも労働環境の改善につながります。

SNSを活用した集客

景気や社会情勢といった外部要因に左右されにくい状態をつくるには、ホテルへのロイヤリティの高い「リピーター」や「ファン」の獲得・育成が大事になってきます。

そこで有効なのが、TwitterやInstagramなどのSNSを活用した集客。SNSはユーザーと直接つながることができるため、認知の拡大はもちろんのこと、既存顧客との接点強化にも役立ちます。

また、TwitterやInstagramなどのSNSは世界中にユーザーがいるため、外国語で情報発信をすることで、インバウンド顧客の獲得にもつながります。

もちろん、こういった施策で外部要因の影響をなくすことは不可能ですが、地道に「リピーター」や「ファン」を増やすことで、有事の際のダメージをある程度軽減することができるでしょう。

他の宿泊施設との差別化

人件費比率の高さが、日本のホテル業界を取り巻く課題であることはすでに述べました。ホテルにこれといった特徴がなく、ほかの宿泊施設との差別化ができない場合、容易に価格競争に陥ってしまうため、こうした傾向はさらに加速します。

小売の世界では、付加価値のある商品は同カテゴリーのほかの商品よりも高く売れますが、それはホテルのようなサービス業でも同じことです。

これといった特徴がなければ「料金の安さで勝負する」ことになりがちですが、「ミレニアル世代のノマドワーカーに向けた設備やサービスが充実している」「オリジナルのツアーや体験プログラムがある」など、ほかの宿泊施設との差別化要素があれば、価格競争に陥りにくいため、収益性を確保しやすくなります。

ITの活用による人件費削減

人手不足の解消には労働環境の改善が欠かせませんが、これからのホテル経営には「労働環境の改善と収益性の改善を両立する」という難しい舵取りが求められています。

そこでカギとなるのが、ITの活用による業務効率化です。チェックインやチェックアウトの自動化や、タブレット端末での情報・ナレッジの共有、ロボットによる清掃など、ITの活用で効率化できる業務は多々あります。また、レベニューマネジメントシステムなどを導入することで、バックオフィスの業務も効率化できます。

ITの活用による機械化・自動化に取り組むことは、人件費の削減につながるのはもちろんのこと、残業時間の削減など労働環境の改善にも寄与するでしょう。

ホテル業界の動向

最後に、ホテル業界の今後を占うためにも、最近のホテル業界の動向をおさえておきましょう。直近の10数年間はホテル業界にとって、まさに波乱万丈の時代でした。

東日本大震災があった2011年は、それまで徐々に増えてきていたインバウンド客が減少に転じます。2012年以降はインバウンド客が再び増加に転じ、コロナ禍前年の2019年には、訪日外国人数が過去最高の3,188万人を記録しました。

こうした中、外国人旅行者をターゲットにしたホテルの開業も大幅に増加。2020年には東京オリンピックの開催が予定されていたこともあり、2020年までの数年間でホテルのニューオープンが相次ぐ「開業ラッシュ」もありました。

ところが2020年の春以降、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化してからは、外国人旅行者は事実上ゼロに近い状態に。「ステイホーム」を強いられ、国内旅行も大幅に鈍化しました。

観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、2020年の国内ののべ宿泊者数は3億3,165万人、2021年の国内の総宿泊者数は3億1,777万人でした。5 億 9,592 万人だった2019年に比べると、5割弱の水準です。

2022年以降は、行動制限の解除や旅行支援の開始、外国人観光客の受け入れ再開などもあり、ホテル業界を取り巻く状況は少しずつ改善してきています。多くの国が「アフターコロナ」の局面に入っている中、2023年以降はさらなる回復が見込まれます。

まとめ

コロナ禍でかつてないほどの苦境に立たされたホテル業界ですが、2023年以降は宿泊者数の回復が見込まれるなど、明るい材料も増えていきそうです。

一方で、人手不足など以前からの課題が改めて浮き彫りになった部分もあり、ホテル業界もほかの産業同様、いかに業務効率化を図り、時代の波に乗れるかが焦点といえそうです。

■記事作成:メトロエンジン株式会社

2016年創業。ダイナミックプライシングを活用したSaaSシステムのパイオニアとして躍進。ビックデータから人工知能・機械学習を活用し、客室単価の設定を行うダイナミックプライシングツールをホテルなど宿泊事業者に提供。また、レンタカー業界や高速バス業界など幅広い業界のDX支援事業も展開している。

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