ビッグデータから人工知能・機械学習を活用し、客室料金の設定を行うレベニューマネジメントシステム『メトロエンジン』。
レベニューマネジメントに必要となる業務を一括管理し、属人化しがちな料金設定を標準化できるため、効率的なホテル経営が可能となります。
『メトロエンジン』を導入して5か月が経過する株式会社ミドルウッド本社の秋葉さんに、導入の経緯や導入後の効果、今後のご活用などについてお話しいただきました。
ミドルウッド様は、現在5つのホテルで『メトロエンジン』を導入されています。
今回は、5つのホテルでの導入についてまとめてお話を伺いました。
秋葉さんの普段の担当業務について教えてください。
A株式会社ミドルウッドのIT事業部統括として、部長をしています。 メインの業務は、予約サイトやOTAを駆使し収益を最大化することです。他には、宿泊課の編成、プロモーションも担当しています。 また、全社の指南役として各ホテルの運営円滑化のため、システム検討やオペレーション改善を行っており、今回のレベニューマネジメントシステムの導入もその業務の一環でした。
『メトロエンジン』導入前の課題と、導入の経緯について教えてください。
A
豊富な経験が必要とされるレベニューマネジメントは属人的なタスクになっており、繁忙時だと、支配人や担当者が運用に手を回すことができなくなるという課題がありました。
担当者がいない時には他のスタッフが代わりに運用できるような体制を整えたいという思いもありましたが、恒久的な人手不足の影響でノウハウ継承もできておらず、属人化からの脱却が難しい状態でした。
また、天災や突発的な需要に反応が遅れてしまうというのも、属人的なレベニューマネジメントの問題点であると思っていました。
そこで、レベニューマネジメントに限ってはコンピューターやAIに任せ、その他の時間をホスピタリティやサービスの向上に費やすことができるよう、人とAIの適性を生かしたセクション分けを考えるようになり、AIを活用したレベニューマネジメントシステムの導入を検討するようになりました。
レベニューマネジメントシステムの検討はいつ頃からされていたのでしょう?
A
コロナ前にも検討したことはありますが、手動で賄えるだろうという考えもあり、システム自体に懐疑的でした。
コロナ禍になり様々なスタンダードが変容していく中で、画一的なサービスを届けるためには人の手では及ばないと思うようになり、その流れで当社内でもレベニューマネジメントシステムの導入が話題に上ってきました。
『メトロエンジン』を検討いただいたきっかけや経緯についてはいかがでしょう?
A 他の部署の人間が、代表から「レベニューマネジメントシステムを提供しているメトロエンジンという会社がある」という話を聞き、その後の打ち合わせで初めてシステムを見ました。AIに完全に任せることができるという点が、メトロエンジンの魅力でしたね。
どのような点が導入の決め手となりましたか?
A AIによる完全自動運用ができることが、1番の決め手でした。機械に頼れる分野は機械を活用し、人でなくては最大化できない分野については人が時間を使う、という機械と人による最適な運用を模索していたので、フルオートでのレベニューマネジメントは当社の目指すところとマッチしていました。
Chat GPTの登場により、広くAIの知能の高さについて認識されるようになったタイミングだったというのも、今回の導入を後押ししたのかもしれません。
完全自動にすることへの抵抗はなかったのでしょうか?
A
レベニューマネジメントの全てをAIに任せ、手離れで運用できるシステムを探していたので、全く抵抗はありませんでした。
元々レベニューマネジメントを担当していた支配人は、別業務もウエイトが高かったため、限られた時間の中でレベニューマネジメントをしてもらうより、営業に従事してほしいという思いがありました。当社ではフルオートという選択肢しか無かったです。
現在、どのようにツールを使われていますか?
また、使い勝手についても教えてください。
A
完全オートで活用しているので、ツールはほとんど触っていないです。もちろん多少の設定変更がある時は操作しますが、あとは定期的なチェックのみで、それ以外はAIに任せっきりにしています。
チェックする時は、AIがその価格を付けた理由ととれる競合ホテルの値動きやブッキングカーブなどを見ています。
他社ホテルの値動きが見れるのは、便利な機能だと思います。ホテルの色がそれぞれ出ていて面白いですし、時にはもったいないな、なんて思いながら見ていることもあります。
導入してみての感想はいかがでしょうか?
また、導入後どのような変化や効果がありましたか?
A 導入前の課題の解消とレベニューマネジメントにおける当社の方針が実現できているので、導入して良かったと思っています。
導入による大きな成果は、価格調整にかかっていた工数や負担を削減しただけでなく、人の手では管理しきれなかった先々の宿泊料金まできっちりコントロールできるようになったことです。
特に、先の日程における予約獲得に変化を感じていて、早割の価格もAIにより市場と連動した動きを付けられているので、翌月分の売上初動が、導入前に比べ5〜10%程度上がっていると実感します。
AIは、思い切りのよい価格決定と調整を行うので私たちもよく驚きますが、売上や稼働率が伸びている様子を見ると、それは紛れもなくAIの実力によるものですし、AIならではの強みが効果をもたらしているなと思いますね。
これまでは手動管理だったので、会議でもレートコントロールはいつも話題に上がっていましたが、導入後は完全にAIに任せているため「レートコントロール」という言葉が出なくなったのも、面白い変化でした。
今後『メトロエンジン』をどのように使用していこうと考えていますか?
また、『メトロエンジン』の活用で達成したいことなどがあれば教えてください。
A
今後は、運営するビジネスホテルを中心に『メトロエンジン』の導入店舗を拡大させていきたいと考えています。
そして最終的には、レベニューマネジメントをAIに完全に任せていき、ホテルでは集客と接客に専念できるような体制を構築したいです。『メトロエンジン』を導入した1番の狙いは、そこにあると考えています。
ありがとうございました。
【株式会社ミドルウッドの概要】
グランパークホテルグループを中心に、ビジネスホテルからカプセルホテルまで、オールジャンルのホテル計15館を運営し、地域社会への貢献を目指しています。
また、アメリカニューヨークに拠点を置く老舗寝具メーカーSOFT-TEX社の許諾を受け、「Soft-tex JAPAN」を立ち上げ、日本人にフィットするオリジナル仕様に改良したマットレス等の販売も行なっています。
会社HP:https://www.middlewood.jp/
<『メトロエンジン』導入中の宿泊施設>